<住宅ローンの団信に疾病保障は付けるべき?>住宅ローンについて考えよう

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住宅ローンの団信に疾病保障は付けるべき? (2020年03月07日)

マンションを購入する際に住宅ローンを利用しますが、コストを負担してまで、団信に疾病保障をつけるべきかどうか迷っています。 どのように考えればいいのでしょう?(Nさん 会社員、31歳)
住宅ローンに疾病保障を加えることのメリット・デメリットを知った上で、よく検討して選択をしましょう。

住宅ローンに付けられる疾病保障とは?

住宅ローンを利用する際には、フラット35を除く多くの住宅ローンが団体信用生命保険(団信)への加入を要件としています。 団信は死亡・高度障害保障で、住宅ローン返済中に、契約者が亡くなったり高度障害状態になった時に保険金が下り、残額を返済できるようになっています。

最近は、下記のような疾病保障付き団信も増えています。中には無料のものもありますが、通常は上乗せ金利等コスト負担があります。

がん保障

がんと確定診断されると、保険金がおりて住宅ローンが完済されます。50%だけ完済のタイプも。上皮内がんは対象外。

3大疾病保障

がんと確定診断されたり、脳卒中や急性心筋梗塞で所定の状態が60日以上継続した場合に住宅ローンが完済されます(中には30日以上と低めや入院のみで完済も)。 加えて、就業不能状態が継続する場合に一定期間は毎月の返済分を保障し、それ以上症状が続いたときに住宅ローンが完済されるタイプもあります。

8大疾病保障

3大疾病保障のほか、5疾患(高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)で働けなくなると、1年(12カ月)までは毎月の返済分を保障し、その後も働けない状態が続いたときは住宅ローンが完済されます。 慢性膵炎を除いた「7大疾病保障」も。

全疾病就業不能保障

すべての病気(精神疾患は除く)やケガで就業不能状態になると、1年(12カ月)までは毎月の返済分を保障し、その後も働けない状態が続いたときは保険で完済されます。 8大疾病以外は入院が条件のケースも。

疾病保障は付ける?付けない?

住宅ローンを組むとき、保障コストがかかるのに必要以上に保障を付けてしまうケースもあります。

疾病保障付き団信は、内容により0.1~0.45%の金利上乗せがあります。 中には別払いのものもありますが、多くは金利上乗せです。 金利上乗せのタイプは、途中で特約を付けることはできず、付けた特約を外すこともできないため、本当に必要かどうかの見極めが大事です。

では、そもそも団信の疾病保障は付けるべきでしょうか。 これについては2つの点から判断してはいかがでしょう。

コスト面

最近はがん保障でも残債の50%完済のタイプで保障コスト0円のものも増えています。 住信SBIネット銀行のように無料で提供されものを利用する分には支障はないといえます。

問題は、利用したい住宅ローンに疾病保障付きが選択できる(金利上乗せ)場合です。 その場合は、実質的なコストを試算して検討しましょう。

例えば、3大疾病保障付きで0.3%の金利上乗せがあった場合、コスト負担はどれくらいになるのかを確認しましょう。 3,500万円を35年返済、金利1.2%、ボーナス払いなしで借りた場合、0.3%の上乗せの有無で比較したものが表1です。 この例では、月5,069円、総返済額212.9万円のコストがかかります。

表1 三大疾病保障コスト
三大疾病保障 月返済額 総返済額
保障なし
102,096円
4,288.0万円
保障付き(+0.3%)
107,165円
4,500.9万円
差額(保障コスト)
5,069円
212.9万円

類似の保険と比較すると判断しやすいです。 ある保険会社で、三大疾病保障付き収入保障保険に30歳男性が35年満期、月10万円の保障額で加入した場合、「非喫煙者健康体」に該当する人で保険料は月6,967円、35年で292.6万円。 このケースでは住宅ローンの保障の方に軍配が上がりますが、疾病保障の内容や契約者の年齢、比較する保険によって結果が異なるケースもありますので、試算をしてみましょう。

リスクマネジメント

もう1つは、住宅ローンを借りる人のリスクマネジメント面です。契約しているわが家の保険も含めてトータルに判断しましょう。

例えば、すでにがん保険や就業不能保険に入っているのであれば、コストをかけてまで団信に疾病保障は不要でしょう(無料ならOK!)。 コストをかけてまで保障のダブりにならないようにしましょう。

団信に疾病保障を付けて保険を解約する選択肢もありますが、がんをはじめ多くの疾病で罹患率は50代以降に高まります。 住宅ローンの疾病保障は住宅ローン完済時に保障がなくなってしまうことも考えて判断しましょう。ローン完済後に新規に保険に入ると保険料も高くなります。 あるいは、「高齢期は貯蓄で備える」と割り切るかです。老後までを見据えたライフプランをよく考え、疾病保障をどうするのか判断しましょう。

【参考リンク】

担当:豊田 眞弓 (執筆:2020年03月03日)

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。

20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。